13弦“ひだまり”の楽しみ方
今日は、星ヶ丘教室、13弦の小型竪琴“ひだまり”レッスンの2回目でした。 ギターやコーラスの経験がおありの、お洒落で上品なご年配女性Sさんは、初回レッスンから一か月間、ご自身の演奏法を磨いて来られました。 “ひだまり”に関しては、「このようにすると弾き易いですよ」というアドバイスはしていますが、こうしなければならないという奏法はなく、良い音が出しやすくて、且つ疲れにくいフォームを身につけていただき、あとはお好きな曲を楽しんでみましょう、というレッスン・スタンスです。 里の秋、早春賦、椰子の実・・・。今日、Sさんが提案された曲は、どの曲も、ひだまりで演奏可能です。重音と和音を装飾的にポロロンと入れて弾いてみたところ、とても喜んで下さり、次回までの良い練習課題となりました。 もう一つ。ひだまりも42弦の竪琴も、低弦を良く響かせると音楽に安定感が得られます。これはピアノも同じ。もともと力の弱い4や5の指が活躍しなければなりませんが、少ししっかりしてくると、演奏が一層楽しめるのではないかと思います。 …小さな“ひだまり”の奥深い世界、私は大好きです♪
アルペジオの多彩
竪琴の魅力の大きな要素として、アルペジオ(分散和音)の奏法があるように思います。 アルペジオは、音楽に彩りを与えてくれるし、そのバリエーションは色のグラデーションのごとく、多様なものだと思います。 言葉で説明するなら、強→弱、速→遅、その逆やそれらの混合・・・様々な可能性が、一つ一つのアルペジオ奏法に含まれています。まるで一輪のバラが花開くように、しかもそれが何分咲きなのかというイメージと重ねて感じたり、あるいはそれが大輪のシャクヤクであったりベルフラワーのようであったり・・・、他にも物が落ちる時のようであったり、ふわりと重力から解放されるようであったり。音楽が進む方向に応じて、そこに表情を持たせたりします。 どんなアルペジオにすると音楽が素敵になるか…、私もまだまだ思い通りにいかないことも多々ありますが(汗)、ともかく色々と試してみるのは、楽しくてハッピー!お薦めです。
左手が蝶々
私は本番、まだまだ緊張するという話を生徒さんにも伝えています。 演奏経験が浅いというのもあると思うし、指先を天に向けた両手のフォームが、ピアノに比べて何か心許なくて、震えを増長しているようにも思います。 手が震えるのを、冷静に見ている自分もいます。どうやら右手より左手の震えが圧倒的に大きいのは、たぶん右手より安定しないから。弦の向こう側に見える自分の左手が、孵化したばかりの蝶のように見えたりします。 ・・・虫かごの中にいて、不安定な様子で、ごそごそフワフワと動いている。
この驚きを音に・・・
昔、作曲家・武満徹という人に興味を持ち、憧れました。正直難解と感じる作品も多いのですが、編曲の素晴らしさに魅了されるし、文章は静かで美しく、森の中にいるようで何か特別な世界に感じます。 撥弦楽器に興味を持ったのは、武満作品がきっかけだったように思います。CDを買ったり演奏会に行ったり。クラシックギターを購入したのも、おそらくこの時期。ギターという楽器は、演奏者の個性がはっきりと表れ、同時に随分微細な世界を描けるのだと感心しました。(演奏は左指先が痛くて挫折…) ハープは、音色は麗しく繊細でエレガントなのに、音楽はダイナミックで惹かれました。そして同時に、ピアノとの共通性も強く感じました。 竪琴は、音量はないけれども、様々な撥弦楽器のエッセンスが凝縮しているというのが、今の私が持っている印象です。「撥弦楽器の祖先」とも言える楽器から、様々な種類の撥弦の音が感じられるのは当然かも知れませんが、演奏中に時々感じるその多彩さが、とても新鮮ですし、気付くたびに驚かされます。 いつか、そういう音色の違いを、聴いて下さる方たちにはっきりとお伝えできるようになり